「火災保険で地震のひびも直せる」は間違い?地震・台風で使える保険が違う理由

2つの保険パンフレットを見比べて首をかしげる女性(イラスト・イメージ)
公開日: 更新日: お客様相談室
大津町 築15年 40代女性
大津町 築15年 40代女性
「火災保険で外壁修理ができる」という広告を前に見たことがあって、今回の地震のひびも火災保険で直せるのかなと期待しています。数年前の台風のときは、実際に火災保険で雨どいを直せたんです。でもネットには「地震は対象外」とも書いてあって、何が正しいのか分からなくなりました。
市原
市原
台風で使えた経験がある方ほど、この誤解に陥りやすいんです。保険は「被害の原因」で決まります。台風の被害は火災保険、地震の被害は地震保険。今回のひびが地震によるものなら、火災保険では直せません。理由と注意点を順にご説明しますね。
市原功一朗この相談に答えるのは:市原 功一朗(日進塗工 代表・一級建築塗装技能士・外壁診断士)
熊本で30年、戸建て塗装1,500件以上。押し売りしない無料診断がモットーです。

結論:保険は「原因」で決まります

保険は原因で決まる。火災保険は火事・風災など、地震保険は地震・噴火・津波(図解)
被害の原因使える保険
火事・落雷・風災・ひょう・雪災など火災保険台風で雨どいが壊れた、強風で屋根材が飛んだ
地震・噴火・津波地震保険地震で外壁にひびが入った、瓦がズレた
地震が原因の火事地震保険火事でも原因が地震なら火災保険の対象外

財務省の制度解説にも「火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・拡大した損害は補償されません」と明記されています(出典:財務省「地震保険制度の概要」)。地震保険は火災保険とセットで契約する保険で、単独では入れません。ご自分が地震保険に入っているかは、保険証券の「地震保険」欄で確認できます。

「台風のせいにして申請すればいい」は、絶対にダメです

災害のあとには、「火災保険を使えば無料で直せます」と勧誘し、地震の被害を風災として申請するよう促す業者が現れます。
これは虚偽の申請です。書類を作るのが業者でも、申請するのは契約者本人。発覚すれば保険金の返還を求められたり、契約を解除されたり、責任を問われるのは契約者自身です。
国民生活センターも、災害に便乗した「保険金が使える」勧誘のトラブルについて繰り返し注意を呼びかけています。

原因がはっきりしないときは、どうすればいい?

写真とメモを手元に置いて保険会社に確認の電話をする女性(イラスト)
「このひびは前の台風のせいか、今回の地震のせいか分からない」。実際には、こういうケースが少なくありません。
そんなときの正解は、自分で決めつけずに事実をそのまま保険会社に伝えることです。「いつ気づいたか」「地震の前後で変化はあったか」を、写真とあわせて伝えれば、原因の判断は保険会社と鑑定人が行います。
私たちのような施工業者も、劣化の状態から「経年か、外力によるものか」の見立てをお伝えできます。中立な材料を揃えることが、一番トラブルのない道です。

「じゃあ、うちはどの保険をあてにできる?」早見表

状況確認すること
地震保険に入っている外壁ひびは「一部損」なら保険金額の5%。詳しくは別記事で解説
火災保険のみ(地震保険なし)今回の地震被害は保険では直せない。公的支援(罹災証明・市町村の制度)を確認
どちらか分からない保険証券の「地震保険」欄を確認。証券が見つからなければ保険会社に契約者名で照会

まとめ:「何でも保険で」と言う業者より、線引きを説明する業者を

市原
市原
今日のまとめは3つです。①保険は原因で決まる。地震のひびは地震保険、台風の被害は火災保険。②「台風のせいにして申請」は契約者自身が責任を問われる。③原因が曖昧なら、決めつけずに保険会社へ事実をそのまま伝える。
「これは地震のせいでしょうか、それとも劣化でしょうか」という見立てのご相談、歓迎です。中立な立場で状態をご説明します。押し売りは絶対にいたしません。
被害原因の見立て・無料点検のご相談はこちらから
お電話:096-339-4539(有限会社 日進塗工/熊本市北区龍田)
お問い合わせフォームはこちら
「記事を読んだ」とお伝えいただければ話が早いです。経年劣化か外力によるものかの見立てをお伝えし、写真つきの記録をお渡しします。

この記事を書いた人

有限会社日進塗工 代表 市原功一朗

市原 功一朗(いちはら こういちろう)
有限会社日進塗工 代表|一級建築塗装技能士・外壁診断士

熊本市北区龍田を拠点に、地域の家々を塗り続けて30年。一級建築塗装技能士・外壁診断士として、熊本特有の暑さや雨風に合わせた戸建て塗装を累計1,500件以上手掛けてきました。「見えない下地処理こそ丁寧に」を信条に、押し売りのない無料診断を徹底。地元の視覚障がい者フットサル(ブラインドサッカー)のスポンサーなど、地域福祉への支援にも取り組んでいます。完工後も熊本の「住まいの主治医」として、年1回の無料点検で長くお付き合いしています。

代表・市原功一朗のくわしいプロフィールを見る