塗料の「ツヤあり」と「ツヤなし(マット)」はどう選ぶ?見た目と耐久性の違い
熊本市 築14年 40代男性
外壁の塗り替えで、ツヤありにするかツヤなしにするか夫婦で迷っています。ツヤありのほうが長持ちすると聞いたのですが、ピカピカした感じはあまり好みではなくて。落ち着いたマットな質感にしたいけれど、耐久性が落ちるなら考えものだなと。
市原
結論から申し上げると、ツヤは「あり・なし」の二択ではなく、5段階から選べます。そして大手塗料メーカーも、ツヤの違いで耐久年数はほとんど変わらないと案内しています。長持ちを左右するのは、ツヤより塗料のグレードと下地の処理だと私は考えていますので、質感はお好みで選んでかまいません。選ぶときに確かめたいことをご説明しますね。
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結論:ツヤは好みで選んでいい。決めるのは実物の見本で
「ツヤありのほうが長持ちする」という話は、塗装の現場でもよく耳にします。ただ、大手塗料メーカーの案内を見るかぎり、ツヤの違いで耐久年数が大きく変わるわけではありません。好みの質感をあきらめてまでツヤありを選ぶ必要はない、というのが私の考えです。
気をつけたいのは、同じ「3分ツヤ」でも製品によって程度が少しずつ違うこと、そして小さな見本と壁一面とでは印象が変わることです。ツヤも色と同じように、大きめの見本と実際に塗られた家で確かめてから決めましょう。
気をつけたいのは、同じ「3分ツヤ」でも製品によって程度が少しずつ違うこと、そして小さな見本と壁一面とでは印象が変わることです。ツヤも色と同じように、大きめの見本と実際に塗られた家で確かめてから決めましょう。

ツヤの5段階と、見た目の違い
| ツヤ | 見た目の印象 | こんな方に |
|---|---|---|
| ツヤあり | 光をよく反射し、塗りたての華やかさが出る | 新築のような明るい印象にしたい |
| 7分ツヤ | ツヤありより少し控えめ。光沢感ははっきり残る | ツヤ感は欲しいが、ギラつきは抑えたい |
| 5分ツヤ(半ツヤ) | ツヤとマットのちょうど中間 | どちらにするか決めきれない |
| 3分ツヤ | しっとり落ち着いた質感。光沢はうっすら | シックで上品な外観にしたい |
| ツヤ消し | 光をほとんど反射しない、マットな質感 | 塗り壁のような風合いや、和の落ち着きが好き |
この5段階は、塗料メーカーでも一般的な区分です。エスケー化研は「艶有り、7分艶、5分艶(半艶)、3分艶、艶消し」の5種類を挙げています。同じ種類でも、製品が異なれば多少ツヤの程度が異なるとも書いています(「よくあるご質問」)。同じ5段階から選べる塗料は、ほかの大手メーカーにもあります(例:「パーフェクトトップSi」の製品情報)。
ただし、選べる段階は製品によって違います。欲しいグレードの塗料で、欲しいツヤが選べるか。塗料を決める段階で一緒に確かめましょう。
ただし、選べる段階は製品によって違います。欲しいグレードの塗料で、欲しいツヤが選べるか。塗料を決める段階で一緒に確かめましょう。
ツヤはどうやって抑えている?

見た目の違いは、塗った表面のなめらかさの違いから生まれます。表面がなめらかなほど、当たった光がそろってはね返り、ツヤが強く見えます。細かな凹凸があると、光がいろいろな方向へ散らばり、しっとり落ち着いた見え方になります。
ツヤを抑えた塗料は、塗料につや消し剤を加えたり、ツヤだけが違う同じ塗料を混ぜ合わせたりして作ります(塗料メーカーの用語解説「つや調整」)。
ツヤを抑えた塗料は、塗料につや消し剤を加えたり、ツヤだけが違う同じ塗料を混ぜ合わせたりして作ります(塗料メーカーの用語解説「つや調整」)。
耐久性は、ツヤではほとんど変わらない
ツヤの違いで、期待耐用年数(塗り替えまでに見込める年数の目安)はほとんど変わりません。大手塗料メーカーの日本ペイントとエスケー化研は、どちらもよくあるご質問でこの問いに答えています。
答えはそれぞれ、「塗料の色相やつやにより耐候性は全く同じではありませんが、顕著な差ではなく、期待耐用年数は変わりません。」と、「艶の差による耐久年数の差はほとんどありません」です(「塗料はつやによって期待耐用年数は変わりますか?」・「塗料の性能について」)。「全く同じではない」と正直に書いたうえで、「顕著な差ではない」としている点も押さえておきたいところです。
耐久性を分けるのは、塗料の樹脂の種類です。エスケー化研のページでは、期待耐用年数をシリコンで10〜15年、ふっ素で15〜20年と紹介しています。これはメーカーのよくあるご質問が紹介する一般的な目安で、実際の年数は日当たりや立地で変わります。
ここからは私の経験からの見立てです。長持ちを左右するのは、ツヤの段階よりも塗料のグレードと、その下の下地処理・シーリング(外壁の継ぎ目を埋めるゴム状の材料。コーキングとも呼びます)です。ツヤを選ぶときは見た目を、長持ちを考えるときはグレードと下地を。分けて考えると迷いが減ります。
答えはそれぞれ、「塗料の色相やつやにより耐候性は全く同じではありませんが、顕著な差ではなく、期待耐用年数は変わりません。」と、「艶の差による耐久年数の差はほとんどありません」です(「塗料はつやによって期待耐用年数は変わりますか?」・「塗料の性能について」)。「全く同じではない」と正直に書いたうえで、「顕著な差ではない」としている点も押さえておきたいところです。
耐久性を分けるのは、塗料の樹脂の種類です。エスケー化研のページでは、期待耐用年数をシリコンで10〜15年、ふっ素で15〜20年と紹介しています。これはメーカーのよくあるご質問が紹介する一般的な目安で、実際の年数は日当たりや立地で変わります。
ここからは私の経験からの見立てです。長持ちを左右するのは、ツヤの段階よりも塗料のグレードと、その下の下地処理・シーリング(外壁の継ぎ目を埋めるゴム状の材料。コーキングとも呼びます)です。ツヤを選ぶときは見た目を、長持ちを考えるときはグレードと下地を。分けて考えると迷いが減ります。
日当たりと外壁材でも、見え方は変わる
同じツヤでも、よく日が当たる南側は光沢が目立ちやすく、日陰の北側は落ち着いて見えます。外壁材の柄や凹凸によっても、光の返り方は変わります。
見本帳だけで決めず、ご自宅の壁に見本板を当てて、南と北の両方で見てみるのがおすすめです。
見本帳だけで決めず、ご自宅の壁に見本板を当てて、南と北の両方で見てみるのがおすすめです。
当社の実例
熊本市西区のT様邸では、色あせが出ていた外壁を、「3分艶仕上げで新築時の美しさを再現」しました(当社の施工事例「外壁塗装工事(西区T様邸)」)。
ツヤを決めるときに、塗装店へ聞いておきたいこと
ポイント1
「この塗料で選べるツヤは、何段階ありますか?」
製品によっては、選べるツヤが限られます。質感を優先したいなら、最初に伝えておきましょう。
ポイント2
「選んだツヤで、大きめの見本板を見られますか?」
ツヤは小さなチップでは分かりにくいものです。色と同じく、屋外で大きめの見本を確かめるのがいちばんです。
ポイント3
「同じツヤで仕上げた家を、写真か実物で見られますか?」
施工実例を見ると、広い面になったときの質感がつかめます。好みを言葉にするきっかけにもなります。
塗料のグレードの選び方はシリコン・フッ素などグレードの違いを比べた記事で、耐久性の高い塗料が値段に見合うかどうかは高機能塗料の費用対効果を考えた記事で、見積書で塗料の商品名まで確かめる方法は「相見積もりは何社が正解?見積書の比較ポイント」でご紹介しています。
まとめ:質感は好みで、長持ちはグレードと下地で
市原
今回のポイントを3つに絞ります。
①ツヤは二択ではなく5段階。抑えるほどしっとり落ち着いた質感になる。
②大手塗料メーカーの案内でも、ツヤの差で耐久年数はほとんど変わらない。長持ちを左右するのは、私の見立てではグレードと下地処理。
③同じ呼び名でも製品で程度が違うので、大きめの見本と施工実例で確かめる。
「しっとり落ち着いた感じ」「少しだけツヤが欲しい」といったイメージを、まずは言葉にしてみてください。家の前に立つたびに、つい眺めたくなる質感を、施工実例の写真を一緒に見ながら選んでみませんか。
①ツヤは二択ではなく5段階。抑えるほどしっとり落ち着いた質感になる。
②大手塗料メーカーの案内でも、ツヤの差で耐久年数はほとんど変わらない。長持ちを左右するのは、私の見立てではグレードと下地処理。
③同じ呼び名でも製品で程度が違うので、大きめの見本と施工実例で確かめる。
「しっとり落ち着いた感じ」「少しだけツヤが欲しい」といったイメージを、まずは言葉にしてみてください。家の前に立つたびに、つい眺めたくなる質感を、施工実例の写真を一緒に見ながら選んでみませんか。
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お電話:096-339-4539(有限会社 日進塗工/熊本市北区龍田)
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「記事を読んだ」とお伝えいただければ話が早いです。診断だけのご利用も歓迎。完工後も年1回の無料点検で、住まいの主治医としてお付き合いします。
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この記事を書いた人
市原 功一朗(いちはら こういちろう)
有限会社日進塗工 代表|一級建築塗装技能士・外壁診断士
熊本市北区龍田を拠点に、地域の家々を塗り続けて30年。一級建築塗装技能士・外壁診断士として、熊本特有の暑さや雨風に合わせた戸建て塗装を累計1,500件以上手掛けてきました。「見えない下地処理こそ丁寧に」を信条に、押し売りのない無料診断を徹底。地元の視覚障がい者フットサル(ブラインドサッカー)のスポンサーなど、地域福祉への支援にも取り組んでいます。完工後も熊本の「住まいの主治医」として、年1回の無料点検で長くお付き合いしています。