罹災証明書の写真の撮り方4ステップ|被害写真は「修理する前」に撮る

外壁の被害をスマホで撮影する女性(イラスト・イメージ)
公開日: 更新日: お客様相談室
熊本市東区 築18年 50代女性
熊本市東区 築18年 50代女性
市役所に罹災証明を申請したいのですが、片付けを進めてよいのか、写真はどう撮ればいいのか分かりません。「修理してしまうと被害の証明ができなくなる」と聞いて、早く直したい気持ちと、待つべきなのかという気持ちの間で迷っています。夫は単身赴任中で、私が一人で判断しないといけなくて…。
市原
市原
お一人で心細い中、よくご相談くださいました。答えはシンプルです。「撮ってから、直す」。この順番さえ守れば大丈夫です。片付けや応急処置を我慢する必要はありません。撮り方も難しくありませんので、順にご説明しますね。
市原功一朗この相談に答えるのは:市原 功一朗(日進塗工 代表・一級建築塗装技能士・外壁診断士)
熊本で30年、戸建て塗装1,500件以上。押し売りしない無料診断がモットーです。

結論:「撮ってから直す」。この順番だけ守ってください

罹災証明書は、市町村が住まいの被害の程度を認定する書類で、支援制度や保険など、ほとんどの手続きの入口になります。
認定は市町村の調査員による現地調査や、写真による判定で行われます。だからこそ、修理や片付けで現場が変わってしまう前の写真が大切なのです。
逆に言えば、写真さえきちんと残せば、雨漏りを止める応急処置も、危険な瓦の片付けも、待つ必要はありません。

罹災証明書と被害認定の仕組みは、内閣府「災害に係る住家の被害認定と罹災証明書の概要」に整理されています。申請窓口はお住まいの市町村です(熊本市の方は熊本市「住家のり災証明書の発行について」へ)。

罹災証明書の写真の撮り方 4つの基本

罹災証明書の写真の撮り方。家の四方から全体・遠景・近景・メジャーを当てて寸法(図解)
順番撮るものコツ
① 家の四方から全体建物の全景を東西南北からどの家の写真かが分かる。表札や周囲が写り込むとなお良い
② 被害箇所の遠景被害がどの位置にあるか分かる距離感で「2階の南側の壁」と分かるように
③ 被害箇所の近景ひび・ズレ・剥がれに寄って1箇所につき数枚。ピンぼけ予備も撮る
④ 寸法が分かる1枚メジャーや定規、名刺を当ててひびの幅・長さの目安が伝わる
枚数の考え方はかんたんです。まず①で4枚。あとは被害のある箇所ごとに②③④を1セット、これを箇所の数だけ繰り返します。外壁2箇所と屋根1箇所なら、4枚+3セットで十数枚。そのくらいで十分です。
スマホで十分です。日付は撮影データに自動で残りますが、念のため撮影日をメモにも控えておくと安心です。屋根の被害は、絶対にご自分で上がらず、地上からズームで撮ってください。
外壁のひび割れを撮るときは、どのひびが重要なのかを知っておくと、撮り漏らしが減ります。見分け方は様子見でいい亀裂と危険な亀裂の見分け方にまとめました。

家の中の被害も撮ってください

外まわりだけで終わらせてしまう方が、とても多いです。ですが家の中も撮っておいてください。理由があります。

内閣府「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」(令和8年6月版)を見ると、地震による被害(木造・プレハブ)の判定に使う部位は、調査の段階で変わります。第1次調査で見るのは屋根・外壁・基礎という外まわり。第2次調査になると、これに柱・床・内壁・天井・建具・設備が加わります。

つまり、室内側の壁のひび、天井のシミ、ドアや窓のたてつけの狂いは、より詳しく見てもらう段階で判定の対象になる箇所です。あとから再調査をお願いすることになったとき、その時点の写真が残っていれば話が早く進みます。外と同じように、部屋の全景→傷んだ箇所の寄り、の順で撮っておいてください。

もうひとつ、写真に添えると伝わりやすいのが、家の簡単な間取り図です。手書きで構いません。「どの部屋の、どの壁か」を図で示しておくと、写真だけでは分かりにくい位置関係が一目で伝わります。自治体によっては、この図の提出を求めているところもあります。

現地調査を待たずに出せる「自己判定方式」という選び方

被害が軽く、明らかに「準半壊に至らない(一部損壊)」と分かる場合は、提出した写真で判定してもらい、現地調査を省略できる自己判定方式という手続きがあります。内閣府の実施体制の手引きでも、被害が軽微な物件について調査を簡素化する方法として示されています。

熊本市では、マイナポータルからの電子申請で該当のチェックを入れた場合、写真による自己判定方式で「準半壊に至らない(一部損壊)」としてり災証明書が発行される、と案内されています。現地調査の順番待ちをせずに受け取れるのが、この方式のいちばんの利点です。

自己判定方式現地調査
どんな方式か提出した写真で判定し、現地調査を省く市町村の調査員が家を見て判定する
向いているのは被害が軽く、一部損壊の判定で納得できる方被害が大きいかもしれないと感じる方
良いところ順番待ちがなく、早く受け取れる外から見えにくい被害も見てもらえる
迷ったら、急がず現地調査を選んでください。写真だけでは伝わらない被害があるかもしれないからです。なお、出た判定に納得できないときは再調査を申請できます。その仕組みと、一部損壊でも確認したい窓口については罹災証明が「一部損壊」でも使える支援はある?でまとめています。 申請の受付期間は市町村ごとに定められます。締切を過ぎると申請できないことがありますので、お住まいの市町村の案内で必ずご確認ください。

10年前の熊本地震でも、この考え方は使われていました。内閣府の資料には、熊本県合志市が平成28年4月の熊本地震の第1次調査で、被災者が持参した写真をもとに被害程度の聞き取りを行い、軽微な被害で一部損壊(半壊に至らない)の判定となることに被災者が納得した場合はその場で罹災証明書を交付した、という事例が記録されています。このときも「持参した写真」が手続きを前に進めていました。

家族で決めておきたい、「先に写真!」

片付けの前にまず写真を撮る夫婦(イラスト)
実際の被災現場でよくあるのが、「家族が良かれと思って先に片付けてしまった」というケースです。割れた瓦、落ちた壁の欠片、ずれた家具。片付けたい気持ちは当然ですが、それらはすべて被害の証拠でもあります。
ご家族で「片付ける前に、先に写真!」と決めておいてください。撮り終わったら、あとは遠慮なく片付けて大丈夫です。
もし片付けたあとで被害に気づいても、あきらめないでください。まだ残っている被害はその場で撮り、撮れなかった箇所については現地調査を依頼すればよいのです。「写真が無いから申請できない」ということはありません。

撮った写真が活きる場面は、罹災証明だけではありません

場面写真の役割
罹災証明の申請被害程度の認定資料。現地調査の補完にも
地震保険の請求鑑定人への説明資料。修理前の状態の証明
修理業者への相談見積もりの精度が上がる。電話やメールでの事前相談もスムーズ
公的支援・減免の手続き被害を示す添付資料として
1回撮っておけば、4つの場面で使い回せます。「あのとき撮っておいてよかった」は、被災経験者が口を揃えて言うことです。 地震保険でいくら受け取れるかの目安は地震保険で外壁のひび割れはいくら出る?、罹災証明の結果が入口になる公的な修理支援は災害救助法の「住宅応急修理制度」とは?でそれぞれ説明しています。

まとめ:写真は、あなたの家を守る証拠です

市原
市原
今日のまとめは3つです。①「撮ってから直す」の順番を守る。②全体→遠景→近景→寸法の4ステップで撮り、家の中も忘れずに。③被害が軽ければ、写真だけで判定してもらう自己判定方式という選び方もある。
当社の無料点検では、プロの目で見た被害箇所の写真撮影もお手伝いし、記録用にお渡ししています。「どこを撮ればいいか分からない」という段階のご相談も、どうぞお気軽に。押し売りは絶対にいたしません。
被害記録のお手伝い・無料点検はこちらから
お電話:096-339-4539(有限会社 日進塗工/熊本市北区龍田)
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「記事を読んだ」とお伝えいただければ話が早いです。点検時に撮影した写真は記録用にお渡しします。罹災証明や保険の手続きの説明資料としてお使いいただけます。

この記事を書いた人

有限会社日進塗工 代表 市原功一朗

市原 功一朗(いちはら こういちろう)
有限会社日進塗工 代表|一級建築塗装技能士・外壁診断士

熊本市北区龍田を拠点に、地域の家々を塗り続けて30年。一級建築塗装技能士・外壁診断士として、熊本特有の暑さや雨風に合わせた戸建て塗装を累計1,500件以上手掛けてきました。「見えない下地処理こそ丁寧に」を信条に、押し売りのない無料診断を徹底。地元の視覚障がい者フットサル(ブラインドサッカー)のスポンサーなど、地域福祉への支援にも取り組んでいます。完工後も熊本の「住まいの主治医」として、年1回の無料点検で長くお付き合いしています。

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