塗装工事にかかる「一般的な日数」と、雨が降った日にスケジュールはどうズレる?

雨の日、窓の外に足場が見えるダイニングで予定を確認する夫婦(イメージ)
公開日: 更新日: お客様相談室
熊本市 築13年 30代男性
熊本市 築13年 30代男性
外壁塗装をお願いしようと考えています。工事は何日くらいかかるものなんでしょうか。梅雨や台風の時期に雨が続いたら、どれくらい延びるのかも気になります。共働きなので、予定が読めないと洗濯や外出の段取りが組めなくて。
市原
市原
結論から申し上げると、屋根と外壁の塗装で、2〜3週間が目安です(家の大きさなどで変わります)。雨の日に止まるのは主に「塗る工程」で、止まった日数のぶん予定が後ろへずれます。どの工程が止まるのか、なぜ無理に塗らないのかを、熊本の雨のデータも交えてご説明しますね。
市原功一朗この相談に答えるのは:市原 功一朗(日進塗工 代表・一級建築塗装技能士・外壁診断士)
熊本で30年、戸建て塗装1,500件以上。押し売りしない無料診断がモットーです。

結論:目安は2〜3週間。雨の日は塗る工程が止まり、そのぶん後ろへずれる

屋根と外壁の塗装工事は、大きく分けて「足場」「洗浄」「補修」「3回の塗装」「点検と片付け」の順に進みます。目安は2〜3週間で、天候に恵まれればおおむね2週間ほどで終わることもあります。いっぽう、雨で塗れない日が挟まれば、そのぶん完了日は延びます。
延びること自体は、悪いことではありません。雨の日に無理をしないのは、塗装を長持ちさせるための判断だからです。確かめたいのは、延びた理由と新しい見通しが、そのつどきちんと伝わるかどうかです。

工程ごとの日数と、雨の日の扱い

工程日数の目安雨の日は
足場の組み立て1日天候を見て判断。強い雨や風の日は延期
高圧洗浄1〜2日洗浄のあとは、壁が乾くまで塗り始めない
下地補修・シーリング(外壁の継ぎ目を埋めるゴム状の材料。コーキングとも呼びます)数日濡れた面には施工しないため、止まることが多い
下塗り・中塗り・上塗り数日〜1週間雨の日・雨のおそれがある日は塗らない
完了点検・足場の解体1〜2日天候を見て判断
※日数はいずれも一般的な2階建ての戸建ての目安で、全体では2〜3週間ほどです。家の大きさ、雨樋や破風(屋根の端に付く板)などの付帯部の量、傷みの程度で変わります。
雨で止まるのは下塗り・中塗り・上塗りの塗る工程。高圧洗浄のあとは乾かす時間が要る(図解)

なぜ雨の日に塗らないのか

ひとことで言えば、濡れた壁や湿った空気の中では、塗料がきちんと乾かないからです。乾かないまま塗り重ねると、塗料が本来の性能を出せません。
雨の日に塗らないのは業者ごとの好みではなく、国の公共工事の標準仕様書にも書かれている基準です。気温が5℃以下、湿度が85%以上、結露などで塗料の乾燥に向かないときは、塗装を行わない(暖房や換気を適切に行う場合を除く)。外部の塗装は、雨のおそれがある場合や強風のときは原則として行わない。この2つが定められています(国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」の塗装工事の章)。
寒い日ほど、1日に進められる量は減ります。次の塗り重ねまでに空ける時間の目安は、30℃で2時間以上、23℃で3時間以上、5〜10℃では8時間以上です(日本ペイント「パーフェクトトップSi」の製品情報に載っている、メーカー公表の目安)。塗り重ねの間を空けずに急ぐとどうなるかは、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを解説した記事でくわしくご説明しています。
こんな日は塗らない。雨・雨のおそれ、気温5℃以下、湿度85%以上、結露している日(図解)
こうした日に無理に塗ると、乾ききらない塗膜に雨が当たったり、湿気を閉じ込めたまま塗り重ねたりすることになり、塗膜の膨れや剥がれ、ムラの原因になります。「予定どおりに終わったけれど、数年で剥がれてきた」では本末転倒です。雨の日に塗らない判断は、長持ちする塗装のための判断です。

データで見る:熊本の6月は、2日に1日が雨

熊本市で雨が降る日の数(月別の平年値・日降水量1ミリ以上)

6.51月7.82月10.43月9.44月9.25月14.16月12.37月10.28月9.39月6.510月7.311月6.912月
単位:日。出典:気象庁 熊本 平年値(1991〜2020年)をもとに日進塗工作成
熊本市の平年値では、雨(日降水量1ミリ以上)の日は6月が14.1日、7月が12.3日。6月はおよそ2日に1日が雨で、月の降水量も448.5ミリと1年でいちばん多い月です。いっぽう10月は6.5日と少なめです。冬は雨の日こそ少ないものの、1月の日最低気温の平年値は1.6℃。朝のうちは5℃を下回りやすく、塗り始めを遅らせる日が出てきます。
台風の時期は、雨に加えて風にも注意が要ります。台風シーズンと重なる8月・9月も、雨の日は月に10日前後(8月10.2日・9月9.3日)。先ほどの仕様書のとおり、強風のときも外部の塗装は原則として行わないので、雨が降っていなくても止まる日があります。
梅雨どきや台風の時期に工事をするなら、予備日を見込んだ工程表になっているかを確かめましょう。「晴れが続けば早く終わり、雨が続けば延びる」という前提を着工前に共有しておくと、途中で慌てずに済みます。

工事の進み具合は、写真でお見せします

当社では工事中、その日の作業の報告を写真つきでLINEでお送りしています。お仕事で日中ご不在のお宅でも、どこまで進んだかが目で確かめられます。
それでも、雨で工期が延びることはあります。予定より工期がかかったことを、改善してほしい点としてご指摘いただいたこともあります。お客様は、予報にない雨が多かったためかと書かれていました。
雨で延びることは、どの塗装店でも起こります。延びた日数そのものより、延びた理由が分かり、仕上がりに納得できるかどうか。工事を頼む側として見ておきたいのは、そこです。
お客様からいただいたお声そのものは、「お客様の声」のページに掲載しています。

工期について、契約前に聞いておきたい3つのこと

ポイント1

「雨の日の作業の判断は、誰がどう決めますか?」

前日の予報で決めるのか、当日の朝に現場で決めるのか。判断の基準を持っている業者なら、すぐに答えられます。
ポイント2

「予備日は何日くらい見込んでいますか?」

梅雨どきや冬場に予備日ゼロの工程表は、どこかで無理が出ます。季節に合わせた見込みがあるかを確かめましょう。
ポイント3

「遅れたときは、どうやって知らせてもらえますか?」

こまめな報告があるのか、聞かないと分からないのか。連絡の手段と頻度を、最初に決めておくと安心です。
工事中の窓や洗濯物の段取りは「養生中の窓・洗濯物・エアコンの実際」で、日中ご不在の場合の進め方は留守中の工事の段取りをまとめた記事でくわしくご説明しています。

まとめ:延びるかどうかより、理由が伝わるかどうか

市原
市原
ここまでをまとめます。
①屋根と外壁の塗装は2〜3週間が目安で、雨の日に止まるのは主に塗る工程。
②気温5℃以下・湿度85%以上・雨のおそれや強風がある日は塗らないのが、国の公共工事の仕様書にもある基準。延期は品質を守るための判断です。
③熊本の6月は2日に1日が雨。予備日を見込んだ見通しと、進み具合が分かる連絡の方法を確かめる。
旅行や来客、在宅勤務の日など、ご家族の予定が決まっていれば見積もりの段階で教えてください。工事の間もいつもどおりの毎日を過ごせるよう、雨で延びたときの見通しも含めて、工程を一緒に確かめましょう。
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「記事を読んだ」とお伝えいただければ話が早いです。診断だけのご利用も歓迎。完工後も年1回の無料点検で、住まいの主治医としてお付き合いします。

この記事を書いた人

有限会社日進塗工 代表 市原功一朗

市原 功一朗(いちはら こういちろう)
有限会社日進塗工 代表|一級建築塗装技能士・外壁診断士

熊本市北区龍田を拠点に、地域の家々を塗り続けて30年。一級建築塗装技能士・外壁診断士として、熊本特有の暑さや雨風に合わせた戸建て塗装を累計1,500件以上手掛けてきました。「見えない下地処理こそ丁寧に」を信条に、押し売りのない無料診断を徹底。地元の視覚障がい者フットサル(ブラインドサッカー)のスポンサーなど、地域福祉への支援にも取り組んでいます。完工後も熊本の「住まいの主治医」として、年1回の無料点検で長くお付き合いしています。

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