ネットで見かける「一式〇〇万円」の格安パック。あとから追加料金をとられるケースとは?

ネットの格安広告を調べる様子(イメージ)
公開日: お客様相談室
熊本市 築14年 30代男性
熊本市 築14年 30代男性
ネット広告でよく見る「外壁塗装一式◯◯万円」の格安パックが気になっています。本当にその金額で済むんでしょうか?あとから追加料金を取られるんじゃないかと疑ってしまって…。
市原
市原
結論から申し上げると、格安表示そのものが悪いわけではありません。分かれ目は「その価格に何が含まれているか」が書いてあるかどうかです。追加料金が発生しやすいポイントと、契約前に聞くべき質問をご説明しますね。
市原功一朗この相談に答えるのは:市原 功一朗(日進塗工 代表・一級建築塗装技能士・外壁診断士)
熊本で30年、戸建て塗装1,500件以上。押し売りしない無料診断がモットーです。

結論:格安が悪いのではない。「含まれる範囲」が書いていないのが危ない

「一式◯◯万円」の広告価格は、多くの場合、最小構成の金額です。塗料は下位グレード、数量は標準的な家を想定、補修や付帯部は含まない——そういう前提が小さな文字に隠れていることがあります。
広告の入り口が安いこと自体は商売の工夫です。問題は、現地調査の後に「お宅の場合はこれが追加で…」が積み上がり、気づけば相場並みかそれ以上になるケース。最初から内訳を開示している業者との違いは、価格ではなく透明性です。

追加料金が発生しやすい5項目

項目なぜ追加になりやすいか
シーリング打ち替え目地の劣化次第で数量が増える。パック外のことが多い
下地補修(ひび・浮き)足場を組んで初めて全容が分かるため、後出しになりやすい
付帯部(雨樋・破風・軒裏)「外壁」の範囲に含まれていないことが多い
高圧洗浄の範囲塀・カーポート・ベランダ床は別料金の場合がある
足場の条件隣地との距離が近い、道路使用が必要などで割増になる場合がある
注意したいのは、この5項目の多くが「家を長持ちさせるために本来必要な工事」だということ。シーリングや下地補修を省いた格安工事は、安いのではなく、必要なことをやっていないだけかもしれません。
追加料金になりやすい5項目。シーリング・下地補修・付帯部・洗浄範囲・足場の条件(図解)
後出しの「追加」がどれほど多いかは、調査にも表れています。住宅リフォーム推進協議会の実態調査(2025年2月公表)では、リフォームで当初予算を上回った理由の最上位が「予定よりリフォーム箇所が増えた」(42.2%)でした。だからこそ、増える条件を最初に書面で確認しておくことが効くのです。

広告の価格が「値上げ前の相場」のままのことも

もう一つ知っておきたいのが、塗料価格の急上昇です。日本ペイント関西ペイントとも、2026年6月出荷分からの大幅な価格改定(水性塗料で日本ペイント20〜30%・関西ペイント15〜30%)を発表しています。
広告の格安価格が値上げ前の前提のままなら、現地見積もりで差額が乗るか、材料のどこかを削るかのどちらかになりがちです。安すぎる価格ほど、内訳の確認が大切な局面です。

契約前に聞くべき3つの質問

契約前に聞く3つの質問。含まれない工事・追加の条件と金額・数量と商品名の書面(図解)
ポイント1

「この価格に含まれない工事は何ですか?」

含まれるものより、含まれないものを聞く方が実態が見えます。シーリング・下地補修・付帯部の扱いを必ず確認してください。
ポイント2

「追加が出るとしたら、どんな条件でいくらですか?」

誠実な業者は追加の条件と単価を事前に説明できます。「やってみないと分かりません」だけの回答なら要注意です。
ポイント3

「数量と塗料の商品名を書面でもらえますか?」

面積・目地の長さ・塗料名が書面にあれば、後出しの追加との区別がつきます。口頭だけの説明は証拠に残りません。

実際にあったご相談:誠実な「安さ」はこういう形をしています

ご相談実際の進め方
予算の上限が決まっていた予算に合わせてプランを設計し、予定していた工事費より安く完了。追加請求なし
費用をとにかく抑えたい塗料と塗り方の工夫で他社より2割安く。ただし必要な下地処理は省かない
見積もりの内容が分かるか不安だった内訳が明確で、不明点は一つずつ説明。納得して契約し、工期も予定どおり
安くする方法は、手を抜くことではなく設計を工夫することです。予算が限られているなら、最初にその上限を伝えてください。その中でできる最善の組み立てをご提案します。
見積書そのものの読み方は「相見積もりは何社とるのが正解?」に、訪問営業に急かされたときの対処は「今すぐ塗らないと大変なことになる」と言われた時の対処法にまとめています。

まとめ:広告の価格ではなく、「含まれないもの」を見る

市原
市原
締めくくりに3つ。①格安表示の分かれ目は、含まれる範囲が書いてあるかどうか。②追加になりやすいのはシーリング・下地補修・付帯部・洗浄範囲・足場条件の5つ。③契約前に「含まれない工事」「追加の条件」「数量と商品名の書面」を確認すれば、後出し請求はほぼ防げる。
万一、契約後のトラブルやしつこい勧誘に困ったときは、消費者ホットライン188(全国共通)にも相談できます。
格安パックと迷ったら、同じ内容の見積もりを当社にもご依頼ください。何が入っていて何が入っていないか、並べて比較すれば一目瞭然です。比較の相談だけでも歓迎します。
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「記事を読んだ」とお伝えいただければ話が早いです。診断だけのご利用も歓迎。完工後も年1回の無料点検で、住まいの主治医としてお付き合いします。

この記事を書いた人

有限会社日進塗工 代表 市原功一朗

市原 功一朗(いちはら こういちろう)
有限会社日進塗工 代表|一級建築塗装技能士・外壁診断士

熊本市北区龍田を拠点に、地域の家々を塗り続けて30年。一級建築塗装技能士・外壁診断士として、熊本特有の暑さや雨風に合わせた戸建て塗装を累計1,500件以上手掛けてきました。「見えない下地処理こそ丁寧に」を信条に、押し売りのない無料診断を徹底。地元の視覚障がい者フットサル(ブラインドサッカー)のスポンサーなど、地域福祉への支援にも取り組んでいます。完工後も熊本の「住まいの主治医」として、年1回の無料点検で長くお付き合いしています。

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